懺悔します。
20代の頃、仕事が大好きでした。自分が売り上げを持っていることが誇りでした。地位に満足していました。
人が休めば休日出勤、深夜近くまで残業、新人教育、出張、会議。何も辛くなかった。全部楽しかった。そんなある日、別部署の女の子が妊娠しました。
— 素材を殺す女ふたば (@futaba__0909) March 25, 2021
突然の妊娠で、婚約者は無職でした。
金銭的な事情で、彼女はお腹で子供を育てながら、仕事を続けるしかありませんでした。
彼女は悪阻が重く、当日欠勤や早退を繰り返しました。重い物は持たせることが出来ないからと、裏方へ回されました。
その頃から、彼女へのパワハラ、マタハラが始まりました。— 素材を殺す女ふたば (@futaba__0909) March 25, 2021
「なんで仕事続けてるの?俺だったら嫁に仕事辞めろって言うよ。旦那が頭おかしいんじゃない?」
そう彼女に直接言う先輩の隣で、私は、
「妊婦って大変やな!仕事好きだし絶対子供なんか作らんどこ!」と思いながらジュースを飲み、携帯をいじっていました。他人事でした。— 素材を殺す女ふたば (@futaba__0909) March 25, 2021
「あの子だけ楽してずるい。あの子が辞めれば人を補充できるのに。早く辞めて欲しい」
愚痴る同期に、「私は別の部署で良かった〜」なんて、話を合わせていました。
上司も同期も、子供はいませんでした。もしあの頃に戻れるなら、「この馬鹿!」って上司と同期と自分を思い切りどつきたいです。— 素材を殺す女ふたば (@futaba__0909) March 25, 2021
彼女はパワハラ、マタハラに負けず、産休ギリギリまで働き、何故か解雇されました。
「解雇になったよ!」と聞いたときも、「ふーん」としか思いませんでした。やがて私は転職をしました。そして結婚、妊娠、出産を経験しました。
妊娠したときまず思ったのは、「クビになるだろうな」でした。— 素材を殺す女ふたば (@futaba__0909) March 25, 2021
上司は、私をクビにしませんでした。妊娠を祝福してくれました。私も悪阻が重く、当日欠勤や早退を繰り返しました。軽めな業務を割り当てられました。
私の特別待遇に対して、文句を言う人がいました。その人がクビになりました。
上司や同僚に励まされながら悪阻を乗り越え、やがて産休に入りました。— 素材を殺す女ふたば (@futaba__0909) March 25, 2021
悪阻に苦しんだ時期、度々彼女のことを考え、後悔しました。これほどの辛さを抱えながら働いていたのか。周りからの辛辣な態度、ぶつけられる言葉が、どれだけ苦しかっただろう。
私にできることが、たくさんあったはずです。私は何もしなかった。他人事で無関心を貫きました。無知で馬鹿でした。— 素材を殺す女ふたば (@futaba__0909) March 25, 2021
妊娠、出産を経験して以来、世界が変わって見えます。目が覚めたような気持ちです。
人の妊娠を共に喜び、体を気遣い、何か相談を受ければお節介なくらい、アドバイス(クソバイスかも)をするようになりました。
もちろん産むのは本人です。だけど、周りがフォローできることはたくさんあります。— 素材を殺す女ふたば (@futaba__0909) March 25, 2021
妊婦さんやワーママさんのフォローをすることも含めて、「上の仕事」だと、妊娠中に、上司から言われました。「あなたは少しも私に感謝しなくて良い。その代わり、妊婦さんと一緒に働く日が来たら、よろしくね」とお願いされました。私はそのお願いを、ずっと守っている。
— 素材を殺す女ふたば (@futaba__0909) March 25, 2021
これから先の人生、妊婦さんのフォローを続けていくことが、彼女への禊だと考えています。全ての妊婦さん、赤ちゃんが心身共に健やかでありますように。
— 素材を殺す女ふたば (@futaba__0909) March 25, 2021